impatience & starving

新しいオフィスのデスクは窓際の奥になった。
東向きの窓側にずらりと並んだ木製のデスクには午前中は明るい日が差し込み、午後は気持ちいい風が抜けるので目の前の窓は開けっ放しにしている。
通りの向こうに見える工事の音が少しうるさいけど、建てている家屋の進捗から見るに、もうじきそれもなくなるだろう。

誰かが決めた時代の変化には流されずに生きていきたいけど、辟易するくらい繰り返された「平成最後」というフレーズから、令和という聞きなれない単位に移行するのと同じくして、煮え切らない謎の10連休を経て、自分の人生もまた一つの転換期を迎えました。

27インチのiMacからTouch Bar付きの15inchのMacbook proになり、
Philipsのサブモニターは360度回転できるDell のモニターに。
社内タスクやコミュニケーションの総量の差、
激減した通勤時間、社内で使う共通言語、
コーヒーを買いに行くコンビニ、
慣れ親しんだ通勤路やあしげく通ったランチのお店など、
大義を持って職場を変えたとはいえ劇的に何かがすぐに変わるわけもなく、
3年間八丁堀で無意識のうちにこびりついてしまった感覚が緩やかにはがれていくのもまだ時間がかかるだろう。

転職は一年以上前から決めていた。
というより、もともとの計画通りといえばそれまでのことだけど、悩み抜いて決断をしたのはいうまでもないし、順調に行きそうで一筋縄ではいかなかった。
タイミングのせいもあると思うけど南青山や六本木には縁がなく悔しい思いもした。
けれど、まずはこの決断を正答にしたい。

でもまだ結果が出るのは先のことだし、昨年の秋から意識的にアートディレクションの仕事を増やしていたのもあり、手を動かしたアウトプットが減ったせいか、そんな状況に少し焦りと渇望を感じている。

そんな中、Facebook経由や今までの繋がりの中から、ちらほらと仕事の依頼をいただけるようになった。
具体的な相談もあるし、ライフワークとして協力したい案件もある。
本当に嬉しいしありがたいし是非力になりたいと思う反面、話を聞くたびに時間が足りないなぁと思う。
ずっと更新していないポートフォリオサイトや、ステイしていたあるプロジェクトも緩やかに動きつつある。
仕事は自分で作り出す方が面白くなるし、結局自分のような捻じ曲がった人間は、一つの枠組みの中には停まれないので働き方や環境そのものからデザインしていく必要があって、そのためにはまだまだ自己投資や勉強が必要だ。

そろそろ窓から吹き抜ける風のように、もう少し軽やかにスマートに行きたいのに、気づけばいつも汗だくで落ち着きがない。
いくつになっても夏が来れば勝手に高揚して、無意識に凝り固まった価値観を壊したくなるし、どこかの滝壺に飛び込みたくなるような衝動に駆られる。
旅の計画を立てて、どこかの島に逃避したくなっては、そんな妄想をいつもしてる。
自分の周りを殻のように覆っている東京を剥がしたくなる。
今年は4年ぶりにフジロックに行けそうなのが何よりも救い。
7/27はとんでもなく良い日になるよ。どんな天候でも。

そんな複雑な感情を受け入れるべく、AirPodsとずっと欲しかったunicoのラグを買った。
東京オリンピックのチケットはなぜかサッカーが当選した。
SNSや繋がりっ放しの通知のせいで、他人と人生を比較しないのが難しい世の中だけど、そんな風に自分の人生を少しずつ着実にアップデートしていけばいい。焦りは禁物で、やることはいつだって目の前の課題に対してどれだけ思慮を深められるかだ。

「グッドバイ 世界から知ることもできない不確かな未来へ舵を切る」
ワイヤレスのイヤフォンから聴こえてくるサカナクションの新譜はとても軽やかだ。

そんな風に東東京から、またはじめようと思う。

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NEW SEASON

今年の隅田川の桜は枝が剪定されていていつもより桜が少なくなっていた。
またいつものような満開の風景に戻るのはいつになるのだろうと、少し寂しさを感じながら水上バスに乗り、浜離宮に着くと沢山の花が咲いていた。
歌うことも走ることもおしゃべりもお絵描きも本を読むのも好きな君にとって幼稚園はきっと楽しい場所になると思う。
沢山遊んで笑って勉強して傷を作って、それでできた楽しい話を沢山聞かせてほしい。
入園おめでとう。

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1000 days

生後1000日 って事で行ったディズニー。
あと1年越しのプロジェクトが終わって、お疲れ自分。
初めてのおつかいごっこしたり、リニューアルしたit’s a small worldに感動したり、一年前に来た時は18時には帰っちゃってたから最後のプロジェクションマッピングまで一緒に見れて良かったなぁ。

七月の後半は喉風邪で死んでたから、フジロックも行けず花火も見れず、寝込みながらせめて僕がジジイになるまではずっと元気でいてくれって切に思ってた。
自転車のシートは前から後ろへ、体操教室はベビーからリトルクラスへ。
同じくらいの月齢の子と比べて自分が小さいのを自覚してか、「おっきくなる!」といいながらもりもりご飯をたべるのはなんだか泣けてくる。
トイレも頑張ってるし、洗濯物も自分で畳んでくれる。友達も沢山出来た。
少しずつ成長していく君に負けないように必死だけど、そろそろイヤイヤ終わんないかなぁ。
夏が終わればもう3歳で、30代も折り返し地点。
この前君の産声を聞きに飛行機に乗ったと思っていたのに、本当にあっという間だ。
ようやく部署のMVPなんてものもいただいたけど、自分の作ったものにまだまだ自信が持てずにいる。

と、まぁ家族が北に帰省してしまい、東京に残る僕は独身時代以来の1人で過ごす6連休なんてすごい自由な時間が転がり込んできて、何をすればいいのかわからないのでつらつら思いを馳せている。
基本的にやりたいことって多すぎるし、人生は短い。
ので、時間を有効に使う為と自分に投資するためのお金は稼いどきたいなと思う。
とりあえず海とか山とか、自然と戯れてる時間が3ヶ月に一度くらい欲しい。

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生後900日

最近はずっと歌ってるしずっと喋ってる。

「だってさ」とか「でもさ」とか接続語が徐々に増えて生意気だなぁと思うこともあれば、君の歌うドラえもんに和んだりする。
思いっきり顎を掴まれたり顔面を蹴られて本気で痛い時もあれば、一人でパジャマが着れて喜んだりする。
トイレも少しずつできるようになって、できたら壁に日付を書いてシールを貼る。

銭湯で2人で牛乳を飲む。
雷門から歩いて帰ってこれた。
体操教室の友達の名前を覚えた。
アンパンマン体操は必ず先生の隣で踊る。
公園のジャングルジムは三段目まで登れる。
ミニストップはアイス屋さんだと思っている。
スーパーのお手伝いカートを自分で引きたがる。
アンパンマンのソーセージとパンの売ってる場所を覚えた。
ケロポンズのエビカニクスをブルートゥーススピーカーで流してとせがむ。
コキンちゃんの歌は父はすきじゃないなぁ。

僕のマジックマウス🖱はレジのピッてするやつだと思っている。
おままごとでアイス屋さんになっても、苺アイスは絶対に売ってくれない。
洗濯物をハンガーからとって畳んで布団に投げる。
お風呂の手すりを掴んで、アンパンマンが飛んでパトロールをしている真似をする。
プレスクールに通い始めて、弁当を全部食べて帰って来た。
1から10まで数えれるようになった。
まだ字が読めないのに音で絵本を覚えて読んでくれる。
ビワのお詫びは終わらない、というフレーズがお気に入り。
とにかく青いものが好き。
桃太郎と金太郎と浦島太郎が好き。
源くん、日村さん、春日は覚えた。
朝、いってらっしゃい気をつけてねと玄関まで送ってくれる。
金曜日は自分の見る映画とディズニー作品を一本借りて帰る。
帰ってきて自転車を入れる時、ガレージのシャッターを開ける音がすると、玄関まで迎えに来てドアを開けるとニヤッと笑う。
そんな日々。

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2017-2018

あけましておめでとうございます。
ようやく2017年をまとめる時間ができたのでWPにログイン。

昨年毎月一回は自分の考えを言語化すると宣言したものの、見事に実行出来ずに終わってしまった。
2017年を想ってみれば苦しいことの多い一年だったなと思います。
特に別れが多い一年で、毎月のように一人、また一人と誰かが去っていく中で、自分がこの場所でやるべきことや目指して行きたいこと、どの領域までカバーすればクオリティを担保できるのかを何度も自答していました。

アートディレクションという新たな領域に踏み出して見たものの、後輩の指導に追われ、外側の装飾やインタラクションに気をとられるあまり、ビジュアルの作り込みを怠ってしまったり、右も左もわからずに迷惑をかけ、最終的に力ずくでなんとかするという有様。
そんな中、名だたる制作会社のコーポレートサイトが次々にリニューアルしていくのを目の当たりにする度に、昨年立てた目標のあまりの大きさを痛感して、打ちのめされたりする日々でした。
一昨年とは比べ物にならない本数、規模の仕事をお任せいただいて、前年の自分のアウトプットは超えるという最低限の目標はクリアしたとは言えるものの、もっともっと突き抜けたクリエイションに昇華しなければいけないという焦りしかない一年だった。

そんな自責の念に囚われていた年末に、読んだ本の中に、

“アーティストに課せられるべき責任は一つだけ、それは自分の技術(クラフト)に誠実であること”

という言葉を見つけて、”アーティスト”を”デザイナー”に変換して自分に落とし込んで行きたいなと想った次第です。
引き続き、感覚的に良いものとロジック的に正しいものの着陸地点を探して、自分の知的好奇心、探究心の向こう側へきちんと届けられるものを作っていけるように日々を使って行きたいと思っています。

ここからは娘の話
一昨年は人が四つ足から二足歩行へと歩く過程を目の当たりにした一年なら、昨年は言語能力の発達を垣間見た一年だったなと思います。
喃語が、徐々に単語で話すようになり、二語から三語へ、主語と述語を駆使するようになり会話の受け答えが成立するようになりました。
具体的にいうと「パパ」が「なぎちゃんのパパ」になり「お父さん」になる、
「パン」が「パンマン」になり「アンパンマン」になり、「アンパンマン でんしゃ」になり「アンパンマンの電車欲しいな」になる。
そんな単語の数と記憶の断片をつなぎ合わせた会話が日々アップデートされていることがとても嬉しくて楽しくて驚くばかりの毎日です。魔の二歳児という期間に挫けそうな時もありますが。

通常営業の方が自分にはあっているとはいえ、忙しない年末年始という時間は、常に流れて行ってしまう時間を振り返るための良い機会だなと思っていて、2017年はそのようなタームだった記憶しています。
昨年お世話になった方、少しでも気にかけてくれた方、力を貸してくれた方、一緒にくだらない話で笑えた方、
本当にありがとうございました

34歳になりました。
毎年言いたいことは同じで、共に良い時間を共有出来ればと思います。
また一年宜しくお願い致します。

2018 元旦

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