2020−2021

年の暮れ、家族で館山に行った。
出産を控えていた我が家は、コロナがあろうがなかろうが年内はSTAY HOME期間なので、娘と妻にせめてもの労いを込めて。
コストパフォーマンスが良すぎることで有名なIT健保のホテル。
天井が高くダブルベッドが二つ置かれた広々としたオーシャンビューの部屋。
相場の4分の1くらいの値段で泊まれるその部屋に入ると、テラスから見える水平線の向こうに沈む夕日の閃光がぼくたちを包んだ。
奥さんはエステに行き、僕はYOUR SONG IS GOODのwavesをかけて、巨大なソファで息子にミルクをあげながら娘と暮れていく夕陽を見ていた。
その時間の穏やかな気持ちと空気感が、とても心地よかった。
そんな瞬間が今年どれくらいあっただろう。

2020年がもたらしたものは何だったのだろう。
そのことをずっと考えている。
ニューノーマルと言われるそれも、いったいどこまで戻るのだろう。
その答えは何年後に出るのだろうか。
この停滞が終わった時、答えは出ているはずだと信じたい。

職を変えた人、住む場所を変えた人、生活様式を変えた人、色んな決断をしていった人は周りにも多い。
僕はその人たちとは違って出産というイベントが最優先にあり、手軽にはそういう決断はできない立場にいる。
かと言って東京を出て田舎に住みたいとか、違う仕事をしたいとも思わなかったのはなんだったのだろう。

思想や理想ばかりが深くなり、アウトプットにつながらない日々。
リリースした物量でいえば、過去5年で最低の数字だ。
それは決して時流だけではなく、自分の力不足もあるはずで、変わらずにリリースを続けている人たちとの差が開く一方なのは目に見えて確か。
勿論それを黙ってみているわけではなく、主体的に動いてわずかな突破口も開くことができた。
ホームオフィスを作り、家族と一緒に過ごす中で自分のこれからを思案する期間としては十分だった。
来年はそれを正解にしていく流れを作り、種を撒いていきたい。
40代も視野に入っている今、時間はそこまでない。
例によってまた1つ歳を重ねたわけだけど、定期的に散文を書きなぐる癖があるのでこれからも書き続けるだろう。
なので、このブログも内容も装いも新たにすることをお約束します。

それでは今年もありがとうございました。
来年こそ一人でも多くの人に会えますように。
良い年末年始をお過ごしください。

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