20141124 DAY 4 – LONDON to PARIS –

4日目

6時に起床、朝身支度を済ませそそこさと宿をチェック。
まだ明けない街中をタクシーでセントパンクラス駅へ向かう。

ロンドンの主要ターミナル駅のひとつで、ハリーポッターのロケ地として知られる、セント・パンクラスの駅。
赤レンガで教会のような美しい駅舎の横に夜が開ける前の濃いブルーの空にグリッド状に飛行機雲が何本も描かれていてこれからの旅立ちを予感しているようだった。ヨーロッパの空は近い。

改札を抜けユーロスターの搭乗チェックに緊張しつつパスポートを渡す。すんなりと出国手続きも済み、ユーロスターに乗り込んだ。

初めて外国の旅客鉄道に乗ってみたけれど、思ったより狭く、壁がグレーなせいか少し暗い印象。日本の新幹線が明るすぎるのか。
あいにく天気が悪く、あまり気分が上がらないけど、駅で買ったコーヒーと昨日の夜買ったベーグルをかじりながら、お洒落な表紙の機内誌やGooglemapの位置情報を時々見て、窓際の変わっていく田園風景を眺めていた。

7:55にロンドンを出て、3時間後に着くと思っていたが、2時間後、壁にストリートアートがたくさん書かれていて物騒なエリアの駅に止まって、人が次々に降り始める。慌てて隣に座っていたアーティスト風の男性にここはどこ?と聞くと、「ここがガレ ドゥ ノード(パリ北駅)だよ」だと教えてくれたのでとりあえず降りることに。
そのあと気づいたけど、ロンドンとパリでは1時間時差があるので、チケットに書かれていた到着の時間表記は3時間後になっていたけど乗っている時間は2時間なのだ。

推理小説の時間差のトリックのような気分でホームに降り立ち、ユーロスターの前で写真を撮り駅を見てみようと外に出た。ロンドンよりひんやりとした空気が頬を撫でる。
駅の外に出て真っ白いガレ ドゥ ノードの駅舎を見上げると、三角形のゴシックな建築がとても歴史を感じさせる。この辺りは治安も良くないと聞いていたので気を引き締め、そそくさと地下鉄に乗り、まずはアパルトマンのある、15区のラ・モット=ピケ=グルネル駅まで向かう。

あちこちから聞こえてくるフランス語や広告のデザインのタイポグラフィ、エレガントな駅の細かい装飾などロンドンとはまた違ったトンマナが五感を飽きさせない。パリの地下鉄はロンドンに比べ、壁に白いタイルが貼られていてとても明るい。


中でも広告は一つ一つが金色の額の中に入っていてどんな広告が入っていても豪華に見えるのがパリらしい。と同時にデザイナーはここに飾られるのだから下手くそなものは作れないなというプレッシャーもあるだろうなと想像した。

2つほど乗り換えて昼過ぎにグルネル駅に到着。
なぜかこの方面からグルネル駅に降りられず、1つ先の駅に行ってから反対方向の電車に乗り直して引き返さなければ降りられないという面倒な手順を踏む。

アパルトマンは駅の目の前にあり、30秒で到着。問題なくチェックインの手続きとWI-FIの接続をして荷物を置きコーヒーを飲んで一息ついた。キッチンとベットとリビングがあるシンプルな部屋。窓からはエッフェル塔が少しだけ見える。

まずはお腹が空いていたので、何か食べようとそろそろ日本食が恋しくなってきたので、オペラ駅に向かう。


日本でも行ったことがないのに、なぜかフランスで初なりたけという妙。旅行を始めてから、ランチはパン系の食事が多く暖かい物を食べる機会は少なかったので、アツアツのスープとこってりした油が本当に美味しかった。値段は10€ほどなのでまぁ安い方だと思う。近くの旅行案内所で、ルーブル美術館などに入れるミュージアムパスを買い、オペラ座の重厚な建築を遠くから眺めて地下鉄でトロカデロへ。

 

駅を降り、階段を抜け左を振り返ると、PHOENIXのTAKE AWAY SHOWで何度も見たあの光景があって、鳥肌が立ちまくった。

周囲には一切高層の建物がないので茶色い鉄塔がグレーの空に向かってこれでもかとそびえ立っている。この空の余白が都市の美観を保っている秘訣なのだと教えてくれる。ただただ圧巻の存在感。
あいにく左側の壁が工事中で、抜けは悪かったけれど、若いストリートミュージシャンが2人でoasisのWonderwallを歌っている。
そのままトロカデロ庭園へ降りる階段を降り、左岸へ渡る橋を渡り塔の下まで歩いていく。塔と高台を繋ぐ庭園の美、この辺りの設計にも美意識の高さを感じた。その間の道では結婚式の撮影をしている人やスケーターや小さいメリーゴーラウンドもあって、ほんとにパリに来たんだなと言うことを何度も噛み締めて泣きそうになった。

夜も更けてきて、バスに乗り、凱旋門へ。そのままホリデーシーズンのシャンゼリゼ通りを歩く。クリスマスマーケットのような出店とイルミネーション、キラキラと輝く町並みがずっと続いている。華の都と言われる所以がそこかしこから感じられ、たくさんの恋人たちが歩いていた。

美しい。街に美意識とロマンティズムが溢れすぎている。

宿の近くに戻り、近くのカフェでピンチョスをつまみながら、フランスのビールといえばもちろんの1664クローネンブルグで乾杯。どれもこれもうますぎる。  ほろ酔いで気分良く店を出ていつか映画で見た1時間に1回、シャンパンフラッシュと言われるエッフェル塔の点滅を見る。近所のスーパー、モノプリで滞在中に食べる朝食用のパンやバナナ、ヨーグルト、冷凍食品のパエリアなどを買い宿に戻った。

イギリスより気温は全然寒いけど、地下鉄の明るさや街並みの重厚感はとてもお洒落で美しい。
ユーロはポンドより小銭の種類が少ないしデザインも数字の表記が大きいので視認性も良くのでレジで迷うことがなく支払いができる。おまけに物価も少し安いし、ご飯も格段に美味しい。パリに来て数時間でこんなに良さがわかるのだから明日からがもっと楽しみになってきた。

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20141123 DAY 3 – British Museum , Shoreditch –

3日目

今日も弱い雨が降る中1日が始まる。イギリスは本当に晴れない。
朝起きてTVをつけるとチェルシーの試合のダイジェストがやっていてオーウェンのゴールシーンが何度も流れていた。

ほぼほぼ昨日と同じメニューを食べ、歩いて大英博物館へ。


開館時間と同時に中に入ると、TVなどで見たことのある広く真っ白いエントランスにテンションが上がる。吹き抜けの天井の模様が美しく、入った瞬間室内と思えないほどの明るさに包まれるのもハッとするほど素晴らしかった。

 

 

膨大な数の工芸品や秘宝と対面する。「ロゼッタストーン」や、「ミイラ」「ルイスのチェス駒」など目玉となるものは抑えつつ、広い館内をくまなく見てみる。奥の方には日本のコーナーもあって、そこだけで一つの博物館ができそうなくらいの物量で、自国のものとは全く造形の違う鎧や浮世絵などを見た昔の人はそれをどう解釈したのだろうと思う。
こんなものが無料で見れる驚きに感謝しつつ、一階のロビーでコーヒーを飲み休憩する。

強そうな名前のセント・パンクラス駅まで歩き、明日朝に乗るユーロスターの乗車場所を確認した後、地下鉄で今一番ホットなエリアとされているショーディッチ方面へ。

エースホテルの中にある「hoi polloi」というレストランでステーキとパンケーキを美味しくいただき、洒落で頼んだコールドプレスジュースを苦虫を噛み潰したような顔で飲む。

店内はやはりエースホテルという感じでヒップな人たちが集まっている印象で、TOKYO BIKEとのコラボ自転車も置いてあった。

BOXPARKなど、周辺のお店を適当に散策しながら、僕も前回来た時も行った、ブリックレーン・ベーグルベイクへ向かう。
この日もやはり大人気で買うのには長蛇の列、写真を撮っていたら名物お母さんに怒られて、「写真撮ってたからあなたには売らない!」と言われて困惑していたら、「冗談よw」と切り返されてドギマギしながら平謝り。超絶美味しいソルトビーフベーグルを無事に買うことができた。

暗くなってきた中、URBAN OUTFITTERSやALL SAINTSなども覗きつつ、行きたかったレコードショップラフ・トレード・イーストへ。

 

ステッカーやフライヤーが貼られまくった雑多な店内の奥にはステージがあって、よくそこで店内でライブをしているのをYoutubeで見ていたのでやっと来れたという思いがこみ上げてきた。店内を色々と見た後に、2014年のAlbum of the yearとしてして紹介されていたTemplesの「Sun Structures」を買う。特典もつけておくぜと、ライブ音源のCDをおまけだよっと言ってガサガサっとラフに袋に入れてくれる仕草がいちいちかっこいい。

 

明日は早いので、早めに宿に戻りホテルに戻ろうとすると、最寄りのラッセルスクエア駅の2機しかないエレベーターが長蛇の列になっていた。
この駅はエスカレーターがなく地上に出るのはこのエレベータに乗るか階段しかない。仕方なく階段で上がってみたら、この駅が深すぎて螺旋階段の上がいつまでたっても見えない。結局途中で挫折してもう一度下まで戻ってエレベーターに乗る羽目に。
下へ戻る途中かなり大きいトランクを抱えた人がどうすればいいんだという感じで座り込んでいたけど、体力を極限まで削られていた自分には何もできず。古い街で暮らすのは風情があるけどこういう面ではリスクがあると思った出来事だった。
(後々調べたら約100年前に建てられた駅舎がそのまま使われているようで、階段の横には「この階段は175段。ビルだと15階相当、だから緊急時以外使うな」とまで書いてあった。タイムラプスも発見。)

そんなこんなでヘトヘトでホテルへ帰り、プレタマンジェで買った枝豆と軽食をつまみに、ホテルのバーでぬるい黒ビールを一杯だけを飲んで就寝。
明日はいよいよユーロスターでパリへ渡る。

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20141122 DAY 2 – LIBERTY LONDON –

夜中に目が覚めて風呂に入る。
このホテルの風呂は蛇口を回すとカランからお湯が出て、そのまま回し続けるとシャワーに切り替わるという謎の仕様(イギリスの風呂はみんなこうなのか?)なので、バスタブにお湯を張っておくとお湯が溢れてしまい一人パニックになる。
もう一度寝たものの、6時くらいに目が覚めてしまい、結局そのまま朝食に。

ラピュタでパズーが食べていたような、オーソドックスなイングリッシュブレックファスト。カリカリに焼いた薄切りのトーストとに目玉焼きをのせ、謎の豆とベーコン、グラノーラみたいな米と缶からそのまま出した感じのトマトとサラサラの牛乳、というセットと一緒にコーヒーを二杯飲み出発。

 

この日は初ロンドンの奥さんに合わせて、朝イチでビッグベンからウエストミンスター寺院へというベタな観光ツアー。

この旅は地球の歩き方や、ネットで得た情報を元にあらかじめ行きたいところをピックアップして、Google Mapにブックマークしていた。電波はなくてもGPSは生きているので自分の位置と歩いている方角は確認できるし、公衆のWi-fiがあれば次の目的地までの時間や距離、どこかに寄れるかがすぐにわかってとても便利だ。

ウエストミンスター寺院は2度目だったがやはりステンドグラスに移るヨーロッパの古い紋章や壁のテキスタイル、建造物のディティールには趣があってとても惹かれる。

 

ガイドを聴きながらゆっくり回っていると、行こうと思っていたバッキンガム宮殿の衛兵交代の時間に間に合わなくなってしまった。一応写真だけを撮り、そのままセント・ジェームズ・パークを抜けて、ピカデリー・サーカス方面へ。

 


行こうと思っていたレストランが予約でいっぱいだったので、近くのPret A Mangerでランチ。Pret A Mangerはイギリスを中心に展開するナチュラル系のカフェチェーン店で、サンドウィッチやサラダなど野菜中心の健康的な食事が手軽な値段で食べられる。ちょうどブームになっていた枝豆なども売っていて、どれも美味しいので滞在中よく行った。
この日は外のテーブルで食べていたので、暖かいスープとサンドイッチがとても美味しく、日本にもできてほしいなと思った。気軽に自販機でホットドリンクが買える日本と違い、海外にいると暖かい飲み物を買うという行為がとても貴重に感じる。
(後で調べたら2002年に一度進出して撤退という歴史があるらしいけど、健康志向が高まっている今なら受けそうな気がするんだけどな)


そのまま歩いて老舗デパートのリバティへ。
この辺りは巨大ショッピング街なので町全体がクリスマスムードになっていてとても人が多い。
リバティプリントでおなじみ百貨店で建物もまた趣がありとても良い。広告などにもいちいちモダンなセンスを感じられる。
ここでは親戚のお土産用の紅茶や自分用に紋章のアーカイブスのようなポスターを購入。
売られているテキスタイルがでどれも素敵で、テキスタイルフェチな自分にはたまらない場所だった。
また、驚いたのがトイレのハンドドライヤーがダイソンだったこと。風のキレがすごくて一瞬で水分がなくなるので日本も全部これにして欲しいと思った。

 

リバティをでて、すぐ裏のBerwick Stへ行くとそこはOASISの名盤「Morning Gloly」のジャケットになった場所。iPhoneの音楽アプリのジャケット写真を参考に、同じ場所で写真を撮るだけの用事を済ませて地下鉄に乗り、シティ・オブ・ロンドンへ移動。前回は改装中で入れなかったセントポール大聖堂へ。

世界遺産とはいえ、なかなかお高い拝観料を払い中に入るも内部の写真は一切撮影禁止なので手元にある記憶でしかないのだけど、荘厳で日本の禅の雰囲気とはまた違った神聖さがあり素晴らしい空間だった。

出てくると夜も更けてきて、夜景が綺麗な時間帯に。
ロンドンタワーからロンドンブリッジを歩いて渡り、テートモダンの中を抜けてサザーク方面へ。

テムズ川を渡るときにLarrikin love が聴きたくなるのは以前と変わらないけれど、The Shardから放たれる近代的でギラギラとした光が2014年であることを認識させる。


ホワイトキューブという現代アートギャラリーまで歩いて行ってみたけれど、なんと休館。。

がっくりしたのと歩きすぎて疲れてお腹も減ってきたので、テートモダン方面へ戻り、テムズ川沿いにあるFounders Armsというガストロパブでディナー。
川沿いのロンドンの夜景が見える雰囲気の良い店内で、ビールを飲みながらザ・イギリス料理といったステーキ・アンド・エール・パイやフィッシュ&チップスなどをいただいた。どれもとても美味しかった。

ホテルへ戻るためにブラックフライヤー駅から地下鉄に乗る。この駅のホームはテムズ川の真上にあって、川沿いの夜景がよく見えるし、青い光と近未来的なデザインがトンマナで映画のワンシーンに入り込んだようだった。おそらくここも五輪に向けて新しくしたのだろう。駅の進化は随所に見られる。
初日からバックパッカー的にイベントを盛り込みすぎたと反省。

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20141121 DAY 1 – wonderwall –

待ち望んでいた日が来るとなぜか現実のことと思えずに、パッキングも結局前日の深夜までかかってしまった。
Phoenixというバンドが大好きで、フランスの文化に憧れていた僕らがやっとフランスに行くことができる。いつもなら通勤する時間帯に羽田の国際線のターミナルまで向かう中、ずっとふわふわとした気持ちでいた。
海外に行くのは7年ぶりになる。
ポンドとユーロに換金してからヒースロー空港行きのゲートを確認してコーヒーを飲み、AM11:30に羽田を飛び立った。

最新のANAの旅客機はエコノミーでも充分な間隔が保たれていて、未公開の映画も観れてゲームもできる、とても快適な空の時間を過ごせた。
公開前の映画も観れるので「るろうに剣心」や「6歳の僕が大人になるまで」を見て、当時よくTVで流れていたナノユニバースのCMのせいでOASISのwonderwallを10回くらい聞き、テトリスと機内食の白ワインで酔っぱらい、前日のメガネびいきを聴きながら寝落ちを繰り返したり、そして地球の歩き方をパラパラ読んで、気晴らしにMacで作業していたら曇りがかった夕方のヒースロー空港に到着した。

さすがはイギリスという感じの曇天の中、大学の卒業旅行以来、7年ぶりに降りたヒースロー空港。もっと暗い印象だったが、おそらくオリンピックのタイミングで改築したのか外観も全然違うのがはっきりわかった。青色の看板にサンセリフ体ででかでかと掲げられた「UK BORDER」のサインが青々と光っている。
建築からサインまで色々な箇所が近代的にブラッシュアップされていて、いきなりオリンピック効果をまざまざと感じた。

前回は厳しい質問が多かった入国審査もハネムーンと伝えると温和に終え、ヒースローラインに乗り宿に向かう。
帰宅時間と重なったせいで電車は混んでいたが、ロンドンは2度目とあって気持ちにも少し余裕がある。
赤い円の真ん中に光る「UNDERGROUND」のロゴや黄色いステンシルの「MIND THE GAP」の文字、郊外ののどかな風景からだんだんと都会に移っていく車窓の風景の変化にも懐かしさを感じる。

ラッセルスクエアの駅で降り、タビストックホテルについた頃にはすっかり暗くなって銀杏の落ち葉がロンドンの街路を敷き詰めていた。
普通のビジネスホテルだけど、学生街の中にあってとても落ち着いた雰囲気のバーが併設している。
海外の独特の匂いのする廊下を抜けて部屋に荷物を置き、お腹が減っていたので周囲の探索も兼ねて外へ出る。

大英博物館の脇を抜け、あらかじめリサーチしていたThe CRAFT BEER co.という最近のロンドンっ子に人気だというパブへ。
金曜日の夜というのも重なって混んでいて、注文カウンターも大行列だったけど、なんとかThe KERNELのIPAを注文して飲む。
到着の一杯は格別で、本当にうまかった。ただここでの食べ物の注文の仕方がわからなかったので、パブをそそくさと後にしてホテルの帰り道にある「ピザ エクスプレス」というチェーン店のピザ屋さんに行った。
もう日本を発って16時間ほどが過ぎていて日本時間で言えば深夜の時間になっていて、奥さんはもう眠いを連呼していたので、2人でサラダとピザをささっと食べる。お腹が満たされて宿に帰ると、風呂にも入らずにすぐにベッドの上で寝落ちしてしまった。

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