20141126 DAY 6 – Musée du Louvre –

6日目

旅の疲れもたまってきて、少し遅く起きる。
眠い目をこすり冷蔵庫からオレンジジュースとヨーグルトを取り出し、それをクロワッサンとバナナを一緒に流し込む。

窓からエッフェル塔が見えると、ああ今パリにいるんだということを自覚させる。この日はルーブル美術館のある1区周辺、セーヌ川を挟んだエリアで過ごす。

 

メトロに乗ってパレロワイヤル・ルーブル美術館駅の階段を上がると、フランス国旗がライトグレーの空に揺れていた。
館の横を走るリヴォリ通りには無駄な広告など一切なく、周辺の重々しい建造物からもルーブルの威厳を感じさせる空気が始まっている。建物が歴史を武器に威圧してくる。

それもそのはず、ルーブル美術館はルネサンス様式のルーブル宮殿をそのまま美術館として利用していて、建物そのものが世界最大級の史跡となっている。
3万5000点以上のコレクションを抱え、年間の来場者は800万人を超え世界一入場者が多く有名な美術館といっていいだろう。
城門のような巨大なエントランスをくぐり、噴水に囲まれた透明なピラミッドが見えてくるだけでテンションがあがる。来ている人もやはりヒップで洒落た人がたくさんいる。

1日の来場者が3万人くらいでチケットは当然長蛇の列なのだけど、ミュージアムパスを事前に購入しておいたので、スムーズに入館できた。ピラミッドの中は巨大な吹き抜けになっていてそこから3方向に展示室が伸びている。
豪華絢爛な館内はとても広く、そこもかしこも美術品でいっぱいだ。全てを見るのは不可能なのであらかじめ何点か見たいものを決めていた。

 

 

NIKEのロゴの元になったという「サモトラケのニケ」は階段の踊り場にあった。ギリシャのサモトラケ島で発見された2000年以上前の彫刻が今もなお目の前にあるという奇跡に興奮する。頭部と果たしてどんな顔をしていたのだろう。その後も「ミロのビーナス」や「ナポレオン1世の戴冠式と皇妃ジョゼフィーヌの戴冠」などを立て続けに名作が出現する。

「ナポレオン1世の戴冠式〜」はあまりの絵の大きさに呆気にとられ、日本に来た時に見たこともあるドラクロワの「民衆を率いる自由の女神」を15年ぶりくらいにみてフランス革命の片鱗を感じる。

 

世界一有名な絵画の一つであるレオナルド・ダ・ヴィンチの「モナ・リザ」は「国家の間」という仰々しい名前の部屋が与えられている。中に入ると人だかりとロープに囲まれた3mくらい先に分厚い防弾ガラスに覆われたモナリザが見える。

一枚の絵のためにこれだけの広い部屋や距離がとられているのはやはり別格の扱い。なぜこの一人の女性の肖像画のために世界中から人が来るのか。この絵が醸し出すカリスマ性や独特の雰囲気や憶測の数々は離れていても確かに伝わってきた。この部屋にはスリが多いと聞いていたけれど、特にそれらしい人は見当たらなかった。

 

絵画の前で模写をしている人がたくさんいるのもこの美術館の特徴だろう。美術という文化とても身近で国民に根付いているように感じられた。

迷路のような館内を3時間ばかり見学し、昼時でどこも混んでいたので館内にあるPAULでランチ。
PAULは日本にも店舗がたくさんあるけれど、本場のお店に入るのは初めてだった。サンドイッチのセットを注文し、硬いバンズがとても美味しく、馬鹿でかいマカロンに奥さんもテンション上がる。
セットで頼んだFINLEYというジュースもとても美味しい。
歴史的な美術品と洗練された空気に圧倒され余韻に浸りながらメトロに乗り込んだ。

 

一つ先のシャトレ駅で降り、シテ島のノートルダム寺院へ。
上に登る階段は閉まっていたのでしまったので、1階のだけ館内を見学した。ステンドグラスの鮮やかな感じや地元の人の熱心に信仰する姿、そして厳かな雰囲気さすがは世界遺産。
ここも2019年に焼失してしまったので、今思えば行っておいてよかったなと思う。

隣のカフェで珈琲を飲み休憩。そのまま東側へ歩き、サン=ルイ島に渡る橋を渡る。ここに来る人の目的のほとんどはベルティヨンのアイスを食べること。
この日もかなり寒かったけど並んでいるほど大人気で、メニューを決めあぐねていたら、店員に圧をかけられ急いで注文。セーヌ川のほとりで震えながら食べたが、味はもちろん絶品でした。

その後バスに乗って左岸に渡り、パリ大学へ。購買の場所がわからずに大学を一周して体力を削られてしまった。金プリントが売り切れていたけど無事お目当のフーディを購入し購買を出た頃にはあたりはすっかり暗くなっていた。

そしてそそくさと昨日も行った北マレ方面に移動MERCIというショップへ。可愛らしい建物の中に洋服、生活雑貨から本までとても好みのものがたくさんありすごくよかった。そしてPopelinで一口サイズのシュークリームを食べたり、ポワラーヌでは明日朝用のパン・オ・ショコラを購入。

すっかり夜なってきたので夕食はポンピドゥー・センターの近くにある、Le Bouledogue というビストロへ行く。一度くらい本場のフレンチを食べたいと思っていたので、勇気を出していってみた。
緊張しながらドアを開けてみると入ってみると笑顔のギャルソンに窓際の席に通された。フランスの飲食店はどこも席の間隔が狭く、荷物を置くスペースもないけど、ここなら周りの会話も気にせず食事ができそう。

とりあえずFischerビールを注文して、ちびちび飲みながら注文を考える。
そしてメニューが全部フランス語のプレッシャーに耐えきれず血迷ってなぜかステーキのタルタルとサーモンのタルタルを頼んでしまう。
「どっちもタルタルだけどいいの?」っていう反応されたけど、もう当たって砕けろのジャパニーズ精神である。

ステーキと書いてあったので焼いた肉っぽいのが出てくると思いきや、当然サーモンのタルタルのサーモンが肉に変わっただけの料理が運ばれてくる。。
これにグリーンサラダとポテトが付いてこの値段はかなり良心的だけど、どちらも量が多くこれ食べたら他のもの食べられなくなるよ。。というくらい。
ただ味はどちらもすごく美味しい。本当に美味しい。何もかもが違う。
2つのタルタルをなんとか食べたあと、どうしても大好物の本場の鴨のコンフィが食べたいという気持ちを抑えられずコンフィ・ド・カナール シルヴプレ。
これにもサラダとポテトついてくるけど食べる?と言われたけど、食べられないよとやんわり伝える。


そして出てきた鴨のコンフィはものすごく柔らかい肉と旨味、一口でこの旅一番の忘れられない味になった。僕がもしアナザースカイに出るのならこの一皿を紹介したい、そう思わせてくれるくらい素晴らしい料理だった。
注文は失敗したけれど、それでもいいと思わせてくれるくらい僕はこのお店が好きになった。

失敗も良い経験になるのが旅の良いところだと思う。

あとで振り返って笑い話が一つ増えると思えばなんでもない。
奥さんにこの失敗のことで10年後も笑って欲しい。
そんなことを思いながら帰路につく。

明日は最終目的地というべき場所へ行くものすごく楽しみな日。
早起きなので早めに就寝。

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20141125 DAY 5 – Versailles,BATACLAN –

5日目 ヴェルサイユ

前日に買ったクロワッサンやオレンジジュースを朝食に食べ、いそいそと準備。
最寄りのグルネルからメトロに乗り、セーヌ川のほとりにあるジャベルという駅で、Cラインに乗り換えてヴェルサイユ方面へ。


メトロとは異なるいかにも郊外に出る旅客用の車両に高揚しながら乗り込み30分ほどゆらゆら揺れてヴェルサイユに到着。

駅前のカフェでコーヒーを買い、馬車でも通りそうな壮観な並木道をコーヒーを飲みながら顔はめパネルで写真を撮ったりして浮かれて10分ほど歩いて行くと、ルイ14世騎馬像とご対面。その遥か向こうにものすごく馬鹿でかいヴェルサイユ宮殿が出現する。

黄金に輝く門をくぐるときも思い出すのはTake Away Phoenix。
フランス絶対王政の象徴的建造物として建てられた宮殿が、約300年経った今でも変わらない輝きを放っている。


鏡の回廊に入ると今まで体験したどの空間とも違う空気が流れていた。落ちてきたら死ぬのかなと思うほど巨大なシャンデリアがいくつもぶら下がり、仰々しい壁や天井の絵画はもちろん、テキスタイルで覆われた美しい家具やドアノブの装飾一つとっても、おそらく全てのパーツがこのために作られていることがわかる。豪華絢爛という言葉さえもチープになるほどに、煌びやかで細かな彩飾の一つ一つが、権威の象徴としての威厳を感じられる。当時の職人の技術やデザイン、哲学、クラフトが凝縮されているのが手に取るようにわかる。アジア系の団体客のうるさい声に邪魔をされながら、部屋に入るごとにその荘厳な一つ一つの描写に呆気にとられていた。

美しい噴水庭園を見に出てみると、ぐるぐるの唐草模様のように手入れされた緑と水平線の向こうまで続く噴水と水路、両側にはすっかり葉の落ちた森が広がっている。天気が良い夏に日になれば青い空と緑がもっと美しい調和を見せてくれるのは容易に想像できる。
外はめちゃくちゃ寒くて、思わず外の売店で暖かいコーヒーを買い、遥か遠くのその地平線を見つめながら、目をつぶるとcountdownのメロディが聞こえてくるようだった。
この辺りでPhoenixの4人が生まれたのだと思うと、あの4人から醸し出されるどのロックバンドよりも気品高い空気はここの出自によるものだと納得できる。今思うと観光用の馬車に乗って、もっと庭のエリアを探索すればよかったなとも思うけど、そんな気にもならないほど寒かった。

あまりの豪華さに呆気にとられた時間を過ごし、ヴェルサイユ宮殿を後にするともう昼食の時間はとうに過ぎていた。あまりの寒さに駅前のカフェに飛び込み、暖かいスープとサンドイッチを奥さんと感想を言い合いながら食べる。

PhoenixのLove like a sunsetという曲はヴェルサイユからパリに戻る道をスティーブ・ライヒを聴いていて影響を受けたというエピソードを思い出し、帰りの電車ではずっとライヒを聞き、車窓の両側に現われる森の樹々をぼんやりと眺めながらパリ市内に戻る。
まぁトマは車だから見えている景色少し違うのだけど、この森の中を中世の貴族も馬車で通っていたかと思うとなんとも優雅だ。

すっかり冷えた体を温めるためにアパルトマンで少し休むことに。1時間ほど昼寝をして休憩した後は、メトロで3区の北マレ方面へ。
サン・ポール駅で降りまずはラズ・ドュ・ファラフェルでファラフェルフードをテイクアウトして、早めの夜ご飯を食べる。野菜と肉がほどよく混ざっていてクリーミーなソースがとても美味しい。
この辺りはトレンドの発信場所としてファッションブランドを始め、多くのショップが軒を連ねている。

その後もレクレール・ドゥ・ジェニーで美しい色のマンゴーエクレアを食べ、個人的に昔から好きなSurface to airでTシャツを買い、FrenchTrottersなどを見て、

A・P・Cではこれからライブに行くというのに、日本では即完売だったNIKEとのコラボスニーカーを発見してしまい夫婦揃って即決購入。箱を捨てて靴を無理やりバッグに詰めて、そのまま北東側に歩くとヴォルテール通りとぶつかる角に今日のライブ会場であるバタクランがあった。

まだ前座のバンドが演奏中だったので隣のカフェで一杯飲んでから、初日にシャンゼリゼ通りのFnacのチケット売り場で購入したチケットを受付に渡して中に入る。日本でライブといえば基本コインロッカーに荷物を入れるのが定番だけどさすがはパリ、結婚式場のようにちゃんとコートや荷物を預けるクロークがあって、受付のお姉さんも笑顔で迎えてくれて安心して荷物を渡した。

フランスの歴史的建築物にも認定されるほどバタクランの歴史は古く1864年に建立されたそうだ。シノワズリを具現化したような奇妙な中国風の建物の中に入ると、2F席の赤い壁がぐるりとステージを囲み、天井が高いクラシックなダンスホールという感じの雰囲気。日本でいうと東京キネマ倶楽部にとても良く似ていて、入ってすぐに好きになった。

ドリンクを交換して、転換中のBGMをしばらく聴いていると本日の主役、イギリスのインディーロックバンド、Bombay Bicycle Clubが登場した。
バンドは当時、2014年の初頭に4th album「So Long, See You Tomorrow」をリリースし全英チャート一位を獲得、アルバムのツアーの真っ最中で脂が乗っている時期。2014年のフジロックにも出演していて日本での注目度は高い。
10年代のバンドらしくエレクトロニカやダンスミュージックにフォーキーなグッドメロディがセンス良く融合して、とてもよく聴いていたバンドなだけにこんな異国の地で観れることもとても嬉しかった。

アルバムと同様に「Overdone」のイントロが鳴り、ステージのバックには大きな5つの円形のオブジェクトが出現、そこにアルバムのアートワークの歩いている人のシルエットが回転する映像が映し出され、バンドのクールな世界観を演出する。ニューアルバムの曲を中心に、静かな曲と激しめの曲をバランスよく取り入れ「Luna」「Come to」「It’s Alright Now」「shuffle」「Feel」など代表曲を随所に織り交ぜるベストなセットリスト
何よりステッドマンのボーカルがとても心地よく、お酒が進む。アジア人はほぼ僕らしかいない中で見るライブは格別だった
朝からベルサイユを歩いて、とても疲れていたけれど結局アンコール最後の「Carry Me」まで堪能し大満足で外に出ると、外はさながら映画ミッドナイト・イン・パリのようなマレの街並み。とてもロマンチックで溶けそう。ほろ酔いで夜のメトロに少し緊張しながら乗り込み、ライブの余韻に浸り帰路につく。

一年後にこのバタクランであんなテロ事件が起きるとは、当然この時は思いもしなかった。

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20141124 DAY 4 – LONDON to PARIS –

4日目

6時に起床、朝身支度を済ませそそこさと宿をチェック。
まだ明けない街中をタクシーでセントパンクラス駅へ向かう。

ロンドンの主要ターミナル駅のひとつで、ハリーポッターのロケ地として知られる、セント・パンクラスの駅。
赤レンガで教会のような美しい駅舎の横に夜が開ける前の濃いブルーの空にグリッド状に飛行機雲が何本も描かれていてこれからの旅立ちを予感しているようだった。ヨーロッパの空は近い。

改札を抜けユーロスターの搭乗チェックに緊張しつつパスポートを渡す。すんなりと出国手続きも済み、ユーロスターに乗り込んだ。

初めて外国の旅客鉄道に乗ってみたけれど、思ったより狭く、壁がグレーなせいか少し暗い印象。日本の新幹線が明るすぎるのか。
あいにく天気が悪く、あまり気分が上がらないけど、駅で買ったコーヒーと昨日の夜買ったベーグルをかじりながら、お洒落な表紙の機内誌やGooglemapの位置情報を時々見て、窓際の変わっていく田園風景を眺めていた。

7:55にロンドンを出て、3時間後に着くと思っていたが、2時間後、壁にストリートアートがたくさん書かれていて物騒なエリアの駅に止まって、人が次々に降り始める。慌てて隣に座っていたアーティスト風の男性にここはどこ?と聞くと、「ここがガレ ドゥ ノード(パリ北駅)だよ」だと教えてくれたのでとりあえず降りることに。
そのあと気づいたけど、ロンドンとパリでは1時間時差があるので、チケットに書かれていた到着の時間表記は3時間後になっていたけど乗っている時間は2時間なのだ。

推理小説の時間差のトリックのような気分でホームに降り立ち、ユーロスターの前で写真を撮り駅を見てみようと外に出た。ロンドンよりひんやりとした空気が頬を撫でる。
駅の外に出て真っ白いガレ ドゥ ノードの駅舎を見上げると、三角形のゴシックな建築がとても歴史を感じさせる。この辺りは治安も良くないと聞いていたので気を引き締め、そそくさと地下鉄に乗り、まずはアパルトマンのある、15区のラ・モット=ピケ=グルネル駅まで向かう。

あちこちから聞こえてくるフランス語や広告のデザインのタイポグラフィ、エレガントな駅の細かい装飾などロンドンとはまた違ったトンマナが五感を飽きさせない。パリの地下鉄はロンドンに比べ、壁に白いタイルが貼られていてとても明るい。


中でも広告は一つ一つが金色の額の中に入っていてどんな広告が入っていても豪華に見えるのがパリらしい。と同時にデザイナーはここに飾られるのだから下手くそなものは作れないなというプレッシャーもあるだろうなと想像した。

2つほど乗り換えて昼過ぎにグルネル駅に到着。
なぜかこの方面からグルネル駅に降りられず、1つ先の駅に行ってから反対方向の電車に乗り直して引き返さなければ降りられないという面倒な手順を踏む。

アパルトマンは駅の目の前にあり、30秒で到着。問題なくチェックインの手続きとWI-FIの接続をして荷物を置きコーヒーを飲んで一息ついた。キッチンとベットとリビングがあるシンプルな部屋。窓からはエッフェル塔が少しだけ見える。

まずはお腹が空いていたので、何か食べようとそろそろ日本食が恋しくなってきたので、オペラ駅に向かう。


日本でも行ったことがないのに、なぜかフランスで初なりたけという妙。旅行を始めてから、ランチはパン系の食事が多く暖かい物を食べる機会は少なかったので、アツアツのスープとこってりした油が本当に美味しかった。値段は10€ほどなのでまぁ安い方だと思う。近くの旅行案内所で、ルーブル美術館などに入れるミュージアムパスを買い、オペラ座の重厚な建築を遠くから眺めて地下鉄でトロカデロへ。

 

駅を降り、階段を抜け左を振り返ると、PHOENIXのTAKE AWAY SHOWで何度も見たあの光景があって、鳥肌が立ちまくった。

周囲には一切高層の建物がないので茶色い鉄塔がグレーの空に向かってこれでもかとそびえ立っている。この空の余白が都市の美観を保っている秘訣なのだと教えてくれる。ただただ圧巻の存在感。
あいにく左側の壁が工事中で、抜けは悪かったけれど、若いストリートミュージシャンが2人でoasisのWonderwallを歌っている。
そのままトロカデロ庭園へ降りる階段を降り、左岸へ渡る橋を渡り塔の下まで歩いていく。塔と高台を繋ぐ庭園の美、この辺りの設計にも美意識の高さを感じた。その間の道では結婚式の撮影をしている人やスケーターや小さいメリーゴーラウンドもあって、ほんとにパリに来たんだなと言うことを何度も噛み締めて泣きそうになった。

夜も更けてきて、バスに乗り、凱旋門へ。そのままホリデーシーズンのシャンゼリゼ通りを歩く。クリスマスマーケットのような出店とイルミネーション、キラキラと輝く町並みがずっと続いている。華の都と言われる所以がそこかしこから感じられ、たくさんの恋人たちが歩いていた。

美しい。街に美意識とロマンティズムが溢れすぎている。

宿の近くに戻り、近くのカフェでピンチョスをつまみながら、フランスのビールといえばもちろんの1664クローネンブルグで乾杯。どれもこれもうますぎる。  ほろ酔いで気分良く店を出ていつか映画で見た1時間に1回、シャンパンフラッシュと言われるエッフェル塔の点滅を見る。近所のスーパー、モノプリで滞在中に食べる朝食用のパンやバナナ、ヨーグルト、冷凍食品のパエリアなどを買い宿に戻った。

イギリスより気温は全然寒いけど、地下鉄の明るさや街並みの重厚感はとてもお洒落で美しい。
ユーロはポンドより小銭の種類が少ないしデザインも数字の表記が大きいので視認性も良くのでレジで迷うことがなく支払いができる。おまけに物価も少し安いし、ご飯も格段に美味しい。パリに来て数時間でこんなに良さがわかるのだから明日からがもっと楽しみになってきた。

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20141123 DAY 3 – British Museum , Shoreditch –

3日目

今日も弱い雨が降る中1日が始まる。イギリスは本当に晴れない。
朝起きてTVをつけるとチェルシーの試合のダイジェストがやっていてオーウェンのゴールシーンが何度も流れていた。

ほぼほぼ昨日と同じメニューを食べ、歩いて大英博物館へ。


開館時間と同時に中に入ると、TVなどで見たことのある広く真っ白いエントランスにテンションが上がる。吹き抜けの天井の模様が美しく、入った瞬間室内と思えないほどの明るさに包まれるのもハッとするほど素晴らしかった。

 

 

膨大な数の工芸品や秘宝と対面する。「ロゼッタストーン」や、「ミイラ」「ルイスのチェス駒」など目玉となるものは抑えつつ、広い館内をくまなく見てみる。奥の方には日本のコーナーもあって、そこだけで一つの博物館ができそうなくらいの物量で、自国のものとは全く造形の違う鎧や浮世絵などを見た昔の人はそれをどう解釈したのだろうと思う。
こんなものが無料で見れる驚きに感謝しつつ、一階のロビーでコーヒーを飲み休憩する。

強そうな名前のセント・パンクラス駅まで歩き、明日朝に乗るユーロスターの乗車場所を確認した後、地下鉄で今一番ホットなエリアとされているショーディッチ方面へ。

エースホテルの中にある「hoi polloi」というレストランでステーキとパンケーキを美味しくいただき、洒落で頼んだコールドプレスジュースを苦虫を噛み潰したような顔で飲む。

店内はやはりエースホテルという感じでヒップな人たちが集まっている印象で、TOKYO BIKEとのコラボ自転車も置いてあった。

BOXPARKなど、周辺のお店を適当に散策しながら、僕も前回来た時も行った、ブリックレーン・ベーグルベイクへ向かう。
この日もやはり大人気で買うのには長蛇の列、写真を撮っていたら名物お母さんに怒られて、「写真撮ってたからあなたには売らない!」と言われて困惑していたら、「冗談よw」と切り返されてドギマギしながら平謝り。超絶美味しいソルトビーフベーグルを無事に買うことができた。

暗くなってきた中、URBAN OUTFITTERSやALL SAINTSなども覗きつつ、行きたかったレコードショップラフ・トレード・イーストへ。

 

ステッカーやフライヤーが貼られまくった雑多な店内の奥にはステージがあって、よくそこで店内でライブをしているのをYoutubeで見ていたのでやっと来れたという思いがこみ上げてきた。店内を色々と見た後に、2014年のAlbum of the yearとしてして紹介されていたTemplesの「Sun Structures」を買う。特典もつけておくぜと、ライブ音源のCDをおまけだよっと言ってガサガサっとラフに袋に入れてくれる仕草がいちいちかっこいい。

 

明日は早いので、早めに宿に戻りホテルに戻ろうとすると、最寄りのラッセルスクエア駅の2機しかないエレベーターが長蛇の列になっていた。
この駅はエスカレーターがなく地上に出るのはこのエレベータに乗るか階段しかない。仕方なく階段で上がってみたら、この駅が深すぎて螺旋階段の上がいつまでたっても見えない。結局途中で挫折してもう一度下まで戻ってエレベーターに乗る羽目に。
下へ戻る途中かなり大きいトランクを抱えた人がどうすればいいんだという感じで座り込んでいたけど、体力を極限まで削られていた自分には何もできず。古い街で暮らすのは風情があるけどこういう面ではリスクがあると思った出来事だった。
(後々調べたら約100年前に建てられた駅舎がそのまま使われているようで、階段の横には「この階段は175段。ビルだと15階相当、だから緊急時以外使うな」とまで書いてあった。タイムラプスも発見。)

そんなこんなでヘトヘトでホテルへ帰り、プレタマンジェで買った枝豆と軽食をつまみに、ホテルのバーでぬるい黒ビールを一杯だけを飲んで就寝。
明日はいよいよユーロスターでパリへ渡る。

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20141122 DAY 2 – LIBERTY LONDON –

夜中に目が覚めて風呂に入る。
このホテルの風呂は蛇口を回すとカランからお湯が出て、そのまま回し続けるとシャワーに切り替わるという謎の仕様(イギリスの風呂はみんなこうなのか?)なので、バスタブにお湯を張っておくとお湯が溢れてしまい一人パニックになる。
もう一度寝たものの、6時くらいに目が覚めてしまい、結局そのまま朝食に。

ラピュタでパズーが食べていたような、オーソドックスなイングリッシュブレックファスト。カリカリに焼いた薄切りのトーストとに目玉焼きをのせ、謎の豆とベーコン、グラノーラみたいな米と缶からそのまま出した感じのトマトとサラサラの牛乳、というセットと一緒にコーヒーを二杯飲み出発。

 

この日は初ロンドンの奥さんに合わせて、朝イチでビッグベンからウエストミンスター寺院へというベタな観光ツアー。

この旅は地球の歩き方や、ネットで得た情報を元にあらかじめ行きたいところをピックアップして、Google Mapにブックマークしていた。電波はなくてもGPSは生きているので自分の位置と歩いている方角は確認できるし、公衆のWi-fiがあれば次の目的地までの時間や距離、どこかに寄れるかがすぐにわかってとても便利だ。

ウエストミンスター寺院は2度目だったがやはりステンドグラスに移るヨーロッパの古い紋章や壁のテキスタイル、建造物のディティールには趣があってとても惹かれる。

 

ガイドを聴きながらゆっくり回っていると、行こうと思っていたバッキンガム宮殿の衛兵交代の時間に間に合わなくなってしまった。一応写真だけを撮り、そのままセント・ジェームズ・パークを抜けて、ピカデリー・サーカス方面へ。

 


行こうと思っていたレストランが予約でいっぱいだったので、近くのPret A Mangerでランチ。Pret A Mangerはイギリスを中心に展開するナチュラル系のカフェチェーン店で、サンドウィッチやサラダなど野菜中心の健康的な食事が手軽な値段で食べられる。ちょうどブームになっていた枝豆なども売っていて、どれも美味しいので滞在中よく行った。
この日は外のテーブルで食べていたので、暖かいスープとサンドイッチがとても美味しく、日本にもできてほしいなと思った。気軽に自販機でホットドリンクが買える日本と違い、海外にいると暖かい飲み物を買うという行為がとても貴重に感じる。
(後で調べたら2002年に一度進出して撤退という歴史があるらしいけど、健康志向が高まっている今なら受けそうな気がするんだけどな)


そのまま歩いて老舗デパートのリバティへ。
この辺りは巨大ショッピング街なので町全体がクリスマスムードになっていてとても人が多い。
リバティプリントでおなじみ百貨店で建物もまた趣がありとても良い。広告などにもいちいちモダンなセンスを感じられる。
ここでは親戚のお土産用の紅茶や自分用に紋章のアーカイブスのようなポスターを購入。
売られているテキスタイルがでどれも素敵で、テキスタイルフェチな自分にはたまらない場所だった。
また、驚いたのがトイレのハンドドライヤーがダイソンだったこと。風のキレがすごくて一瞬で水分がなくなるので日本も全部これにして欲しいと思った。

 

リバティをでて、すぐ裏のBerwick Stへ行くとそこはOASISの名盤「Morning Gloly」のジャケットになった場所。iPhoneの音楽アプリのジャケット写真を参考に、同じ場所で写真を撮るだけの用事を済ませて地下鉄に乗り、シティ・オブ・ロンドンへ移動。前回は改装中で入れなかったセントポール大聖堂へ。

世界遺産とはいえ、なかなかお高い拝観料を払い中に入るも内部の写真は一切撮影禁止なので手元にある記憶でしかないのだけど、荘厳で日本の禅の雰囲気とはまた違った神聖さがあり素晴らしい空間だった。

出てくると夜も更けてきて、夜景が綺麗な時間帯に。
ロンドンタワーからロンドンブリッジを歩いて渡り、テートモダンの中を抜けてサザーク方面へ。

テムズ川を渡るときにLarrikin love が聴きたくなるのは以前と変わらないけれど、The Shardから放たれる近代的でギラギラとした光が2014年であることを認識させる。


ホワイトキューブという現代アートギャラリーまで歩いて行ってみたけれど、なんと休館。。

がっくりしたのと歩きすぎて疲れてお腹も減ってきたので、テートモダン方面へ戻り、テムズ川沿いにあるFounders Armsというガストロパブでディナー。
川沿いのロンドンの夜景が見える雰囲気の良い店内で、ビールを飲みながらザ・イギリス料理といったステーキ・アンド・エール・パイやフィッシュ&チップスなどをいただいた。どれもとても美味しかった。

ホテルへ戻るためにブラックフライヤー駅から地下鉄に乗る。この駅のホームはテムズ川の真上にあって、川沿いの夜景がよく見えるし、青い光と近未来的なデザインがトンマナで映画のワンシーンに入り込んだようだった。おそらくここも五輪に向けて新しくしたのだろう。駅の進化は随所に見られる。
初日からバックパッカー的にイベントを盛り込みすぎたと反省。

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